チラシの文字量とパッション

文字量と熱量

 

何かの「商品」ではなく「サービス」といった形のないものをチラシにするとき、掲載する文字量が多くなりがちだなぁと考えていたのですが。折込広告やポスティングチラシでも時々そういった文字の多いチラシに遭遇することがあります。

 

文字量は伝えたい気持ちがあればあるほど比例して多くなっていくもの。

あれもこれも載せたい!伝えたい!良さを分ってもらいたい!ということで、チラシ片面8割を文章が占める気合の入ったチラシもあったりします。

 

クライアント側からすれば、商品を売るときのようにチラシに写真が使える訳ではないので、沢山説明して説得力を持たせたいためそうなってしまうのでしょう。その結果、文字量が多くなり読むのに時間がかかるため最後まで読まれなかったり、圧迫感を感じる紙面が出来上がってしまうんだろうなと思います。

 

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「全部の文字量は入らないのでまとめるか削ってください」(広告としての見やすさや効果を損なうので)と作り手がお願いしても、企業の広告担当さんに「全部大事だから無理」という風に言われたんだろうなと想像できてしまい、そのチラシを眺めながらお疲れ様という気持ちになります。

もちろんできるだけ内容を入れてあげたいのは山々ですが、今日日、主婦であっても忙しい時代にゆっくり広告を読む時間などなかなか取れないので、もう少し要点をまとめる必要があります。

 

 

そのようなチラシの作成依頼が来たときは、大量の文字情報で新聞記事化してしまわないようにグラフやイラスト、イメージ写真、チャートやピクトグラム、装飾の皆様を総動員してなんとかわかりやすく簡略化したいところ。

 

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「原稿内のここからここまではグラフ一つで説明できるな」、「箇条書きで渡された料金プランは表にまとめておこう」など、内容を切ってはまとめる作業をやっていくことになります。そして情報をまとめる作業って慣れるまではなかなか難しかったりするんですよね。

 

 

グラフの使い分け

 

情報をまとめるにあたり、特に数字データはグラフにまとめたほうが見やすくて良いのですが、普段使い慣れていないとどの種類を使えばいいか迷ってしまうこともあります。そのような場合は、各グラフがどんな特性を持つかを最初に見てみると良いです。

 

以下のような一般的なグラフはよく使われていますが、その特性をおさらいしてみようと思います。

 

 棒グラフ/絵グラフ:データを並べて大小を比較するのに適しています。縦横が逆のものもあります。

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絵グラフは広告でよく使われますね。

 

 折れ線グラフ時系列でのデータの増減を見るのに適しています。

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 円グラフ全体を100%として、その中に占めるデータの内訳を表します。

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 積み上げグラフ:データの大小を並べて比較するとき内訳も表すことができます。しかし、構成比を把握することには適していません。

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 散布図:データが当てはまるところに点を打って、2つの要素に関係があるかどうかを見ます。

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 バブルチャート:散布図を構成するデータに加え、もう一つの量的なデータを円の大きさで表すグラフです。3 つの観点でデータを分析できます。

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 レーダーチャート:5 ~ 6個のデータで特性を評価します。各項目の値のバランスが取れているほど正多角形に近い形になります。

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こちらも成分比較でよく見かけますね。

グラフ引用:なるほど統計学園 http://www.stat.go.jp/naruhodo/4_graph/graph.html

 

他にもヒストグラムやヒートマップなど日常ではあまりお目にかからないグラフもあったりして、本当にグラフって種類が多いですね。日頃見かけない種類を使ってしまうと、とっつきにくい印象を与えてしまうので注意が必要です。

各グラフの特性をもっと知りたい、ほかのグラフも見てみたい時は統計局のサイトに分かりやすく記載されていますよ。

なるほど統計学園TOP

 

さて、グラフができたら下記例のようににチラシの雰囲気に合うようデザイン化をするとGOODです。

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ずいぶん軽い印象になりますね。デザインを変更すると一気に親しみが沸きます。

どのようにすれば見やすくなるのかのヒントはこちらのサイトが参考になります。

tsutawarudesign.com

 

クライアントの伝えたいパッションに比例した大量文字の原稿に出くわすとその熱意に感化されて気合が入ります。

数字は表やグラフ、イメージはイラストや写真、全体の流れや選択肢はチャート、人物はピクトグラム、キャッチの文字は大きく太くなど、レイアウトを考える前に内容の大工事をして、「見やすく分かりやすく」を頑張ってやっていきたいですね。

 

 

余談

 

話は少し飛びますが、「グラフ」と聞いて思い出したのは、フローレンス・ナイチンゲールが残した「鶏のとさか」という円グラフです。

(考案した、とされているが所説あるよう)

クリミア戦争での負傷兵たちの死亡原因を、予防可能な疾病、負傷、その他に分けています。

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引用:https://www.youtube.com/

 

情報をまとめるって奥が深いです。